新型コロナも5類に移行を受けて、やっと松沢中学校校内で講演会を実施することができました。オンンライン参加者5名を加えて、39名(1名は地域の方、また山村校長先生も参加されました)で中味の濃い講演でした。なお、講演会の後講師を含めて懇親会を行いました。懇親会の様子は、こちらにあります。
記
日時・場所 2023年11月19日(日) 14:45~17:00 松沢中学校ミーティングルーム(及びオンライン中継)
講師1 工藤昭英(くどうあきひで)さん
1967年3月卒業20期(現東京農工大学客員教授)
<講演概要>
『まさか国立大学の教員になれるなんて』
‐外国人の多い理系大学院生でビジネスの基本を教える‐
工藤昭英(20期3B)
客員教授,生物システム応用科学府
国立大学法人 東京農工大学
mcakudoh1997@gmail.com
1. “はじめに” - 人生で影響を受けた出来事と気づき -
Ø 理学修士取得後、研究者として三井東圧化学(現三井化学)に入社(1977-1988)
l 最初の仕事はライバルとの共同研究という競争研究で最初から先導役、組合執行部では会社の仕組みを学び、関係会社への出向のおいてその良さと悲哀を実感
l 仕事の目的は商売を成功させることであり、技術は道具の一つに過ぎない
Ø 本社事業開発部門に異動し電子情報材料分野の新規材料事業開発リーダーを拝命 米欧亜のパートナーとともにビジネスを展開し拡大(1988-2007)
l 新規事業開発の司令塔の役割は管理ではなくお客様を見つけ出し買ってもらうこと
l 呉越同舟なんでもありで大切なことはビジネスに勝ち、生き残ること
l 生き馬の目を抜く電情材業界で新規事業構築を20年近く経験してきたものの結論 新市場を狙うのは正解か⇒PLC後期に近い商品に旨味あり
Ø ビジネス部門出身初の知的財産部長(2007-2009)
l 組織の活性化は存在価値とパーパスの明確化から
l 事業(金儲け)に興味の薄い部員に対しビジネス塾を開講⇒事業支援の役割を徹底
l 各所に分散していた知財調査女性20名をひとつにまとめ女性が全ての運営を担う新組織構築 女性が活躍出来ないのはロールモデル不足⇒クオータ制が必要
Ø ビジネスプランコンテストでメンター支援をした教授に誘われて特任教授に(2014-)
l 博士課程進学者を増やすリーディング大学院プログラムの教員として、ビジネス基礎と発想、知的財産権のいい加減さ、HBS流の交渉術、博士の向けインターンシップの設計や就活支援など、研究室教授に不足している部分の教育を担当する
l 他大学(九州大学LP-GRP、鳥取大学連合農学研究科、横浜国立大学、三鷹ネットワーク大学)、研究会(新規事業、知的財産)等の講師、NEDOのテーマ評価委員、大学発スタートアップコンテストのコメンテーター、NEDO
SSAフェロー資格の取得<2022>
2. “大学院博士課程の現状” -
日本と世界
–
l 博士課程入学者が少なく科学立国ピンチ
l 100万人あたり ドイツ(336人)、英国(375人)、韓国(296人)、日本(120人)
l 大学院重点化プログラム(1991-)でオーバードクターが社会問題になり博士課程進学者が減少
リーディング大学院プログラム(2013-2020)の効果も一時的で傾向変わらず
l 日本で博士過程進学者の少ない理由 ①博士求人数が少ない、②プラスαの処遇無し、③博士課程の費用負担、④企業要望との間に齟齬、⑤博士号不要の社会
3. “ビジネスの基礎” - アジア・中東・アフリカから多くが留学生 講義は英語で -
l
ビジネスジョーク 『モノが計画以上に売れた場合の各地域の典型的対応は』
I.
先進国地域:米国、欧州、日本
II.
新興国地域:中国、台湾、韓国
l 地域特性やマインドセットにfitするビジネスモデルが重要で技術は二の次
l Part 1 技術で勝って商売で負ける を避ける
1.
だれが給料を支払っていますか?
2.
良い商品とは何ですか?
3.
企業における新商品開発は基礎研究から始めるのが王道でしょうか?
4.
新商品開発には、マーケットインとプロダクトアウトがあるがどちらが良い?
5.
新商品/新サービスを生みだす <マーケットイン、素早い試行による改善が肝>
6.
顧客の声が一番だと思わない経営者もいる
l Steve Jobs & Jeff
Bozos 顧客が気づいていない商品やサービスを創造提供する
7.
会社は誰のために存在するのか
l Profit & loss
statement (=収入は誰から、支出は誰に)を見れば一目瞭然
l Company exists for
society 「会社は株主のために存在する」としていた米国経営者協会も「企業に関係するひとや組織のために存在する」と2019年に変更
l Part 2 イノベーターとイノベーション
l ダイソン創業者の”5127”てなに?
1.
イノベーターを目指そう
l 天才と呼ばれる彼らの言葉はなんだか気が休まる
Ø Albert EINSTEIN,Steve
JOBS, Thomas EDISON, Miles DAVIS
Ø トータルで10,000時間、正しい方法で努力をすればその道の専門家になれる
l 発明発見は偶然の一致ではない
Ø 白熱電球、電話、トランジスタ、自然淘汰説、皮下注射、対数等々多数
2.
賢いイミテーターを目指そう
l 一番じゃなくて二番手の方が良い *IBM、パナソニック
l ビジネス以外も Pablo PICASSO、Steven
KING(作家)
3.
イノベーターになれるのはインベーター(発明者)のごく一部
l イノベーターの発想法
松中時代
転勤族で青森市から転校してきたのが東京オリンピックの翌年二年生の時。クラスの皆さんには良くしてもらい今でも関係は続いています。勉強に関する意欲に乏しく周りに流されるタイプの生徒でした。
講師2 石崎芳行(いしざきよしゆき)さん
1969年3月卒業22期(一般社団法人「ならはみらい」顧問 兼 楢葉町アンバサダー、自称「福島浜通りのお節介おじさん」)
経歴 慶応義塾大学法学部卒業後、東京電力入社、営業・企画・外部団体出向後、福島第2原発所長等を歴任、福島復興本社代表、福島担当特別顧問を経て、2018年3月東電を退職、その後も生活の拠点を福島として、復興を実践すると共に東日本国際大学福島復興創世研究所副所長(客員教授・現任)
携帯:080-1112-0505
メール:yuneti2000@yahoo.co.jp
<講演概要>
「福島の過去・現在・未来について」
1.テーマ 「福島の過去・現在・未来について」
2.自己紹介を兼ねて
〇福島浜通りとの付き合い・・・四半世紀・・・第二の故郷
〇今でも目に焼き付く福島の人々の表情
・「私たちを騙したな・・・」
〇今でも心に刺さっている魂の叫び
・「首都圏の電気・生活・発展を支えてきた私たちのことを忘れないでほしい」
〇「福島浜通りのお節介おじさん」として福島復興に取り組む
・「生涯現役」を目指して
3.概要
(1)「福島の過去」
①「首都圏を支える大電源地域」(共存共栄関係)
明治に誕生した日本の電気事業。明治15年(1882年)に銀座に街路灯(アーク灯)が点灯して以降、国の発展とともに電気事業も大きく変遷を遂げてきた。
・水力を主体とする「水主火従」時代から、石炭・石油・天然ガスを中心とする「火主水従」時代へ。⇒昭和の2回の石油危機を経て、「水力・火力・原子力のベストミックス」時代へ。⇒さらに、地球環境問題への対応から「+再生可能エネルギーの活用」へと変遷。
・そうした中で、福島県は、首都圏を支える大電源地域として「水力・火力・原子力」を受け入れてきた「首都圏と共存共栄関係」の地域であった。
②東日本大震災の発生
2011年3月11日の午後2時46分、東北沖でマグニチュード9.0日本最大規模の巨大地震が発生。東北沿岸に高さ10メートルを超える津波が押し寄せ、死者・行方不明者は併せて約2万人、福島県では約2千人にのぼった。
③世界最悪レベルの原発事故
東京電力福島第一原子力発電所は、高さ約15メートルの津波浸水で、すべての電源を喪失し、1号機から3号機までの3基で、原子炉の核燃料が溶け落ちるメルトダウン=炉心溶融が起き、大量発生した水素の爆発により原子炉建屋上部が吹き飛び、多量の放射性物質がまき散らされた。そのため、周辺12市町村(浪江町、双葉町、大熊町、富岡町、楢葉町、広野町、川内村、葛尾村の双葉郡8町村に加え、南相馬市小高区、田村市都路地区、川俣町山木屋地区、飯舘村)に政府から避難指示が出され、最大で約16万5千人が避難を余儀なくされた世界最悪レベルの原発事故となり、東電は「共存共栄関係」から「憎くむべき存在」となってしまった。
(2)「福島の今」
①復興状況
大勢の人々の人生や地域の産業にとんでもない損害を与えてしまった原発事故であったが、放射性物質の除染作業やインフラ整備などが進み、避難指示が解除された地域が少しずつ増えてきて、ふるさとを取り戻すための様々な取り組みが国・地域を挙げて続けられている。
そんな中、「避難指示解除時期の差=避難期間の差」により、復興状況はマチマチで、「光と影」がより鮮明になってきている実態がある。
②福島の人々の声
事故から12年が過ぎ進む風化の中で・・・「私たちのことを忘れないでほしい!」
(3)「福島の未来」
①今後の復興・まちづくりの方向性
大震災・原発事故からこれまでの12年間は、「ハードの整備」が中心であったが、これからの復興・まちづくりの在り方は、いわば「ソフトの整備」が中心に。
言い換えれば、如何に地域の賑いを取り戻すか、或いは、新しい賑い・新しいまちづくりを行っていくのか、が重要な課題となってきている状況。
②キーワードは、「(俺が俺がを乗り越えた)広域連携」、「熱い気持ちの継続」
③その他
・「原子力で発展してきた地域」が「原子力事故で日常を奪われた地域」になってしまったが、原子力に替わる「再生可能エネルギー」で地域を再生・復興へ。
・世界に誇れる「復興のシンボル」となる地域づくり(㊙ビッグプロジェクト)に残りの人生を懸ける覚悟で取り組み中。
松中時代
単なるスポーツ好き・好奇心旺盛なノンポリ中学生。部活は、強さに憧れ「柔道部」に所属。陰では、花形の「野球部」にも憧れていたので、高校では「野球部」に